採用サイトを作りたいものの、何から手をつければいいか分からない——そんな採用担当者は少なくありません。結論から言えば、採用サイトは「掲載する情報の設計」で成否がほぼ決まり、デザインや制作作業はその後です。本記事では、採用サイトの作り方を企画から公開まで5つのステップに分けて整理し、掲載すべきコンテンツ、費用相場、外注先の選び方までを2026年時点の情報でまとめます。自社で進めるか外注するかの判断軸まで分かる内容です。
この記事の要点
- 採用サイトの作り方は「目的・ターゲット設計 → コンテンツ企画 → 制作 → 公開・運用」の5ステップで進める。
- 求職者の約9割が応募前に採用サイトを確認するため、仕事内容・社員の声・働く条件を具体的に載せることが重要。
- 費用相場はテンプレート型で10万〜50万円、オリジナル制作で50万〜300万円が目安(2026年時点)。
採用サイトの作り方は5ステップで進める
採用サイトの作り方は、次の5ステップで進めるのが基本です。制作作業そのものより、最初の「目的とターゲットの設計」に時間をかけるほど、応募の質が高まります。
- 目的とターゲットを決める:新卒か中途か、何職種を何名採用したいのかを明確にする。
- 掲載コンテンツを企画する:求職者が知りたい情報を洗い出し、載せる項目を決める。
- 構成とデザインを設計する:トップから応募までの導線と、ページ構成を組み立てる。
- 制作・撮影・原稿作成を行う:写真・社員インタビュー・原稿を用意し、サイトを構築する。
- 公開して運用・改善する:応募数やアクセスを見ながら情報を更新し続ける。
以降で各ステップの具体を解説します。まず前提として、採用サイトとは何かを整理します。
採用サイトとは
採用サイトとは、企業が採用活動のために独立して運営する、求職者向けのWebサイトのことです。会社案内やサービス紹介が中心のコーポレートサイトとは目的が異なり、仕事内容・働く環境・募集要項・応募動線など「求職者が入社を判断するための情報」に特化して構成します。
求人媒体(求人サイトへの掲載)と混同されがちですが、両者は役割が異なります。求人媒体が「多くの求職者に見つけてもらう入り口」だとすれば、採用サイトは「興味を持った求職者に自社を深く理解してもらい、応募を後押しする受け皿」です。求人媒体から自社の採用サイトへ誘導する流れが、応募の質を高める基本形になります。
なぜ今、採用サイトが必要なのか
採用サイトが重要になっている最大の理由は、求職者のほとんどが応募前に企業の採用サイトを確認しているためです。マイナビの調査では求職者の85.9%が採用サイトをチェックしていると報告されており、20代に絞ると87.0%が応募前に「必ず確認」しているという調査結果もあります(2025年時点)。
85.9%求職者が応募前に採用サイトを確認(マイナビ調査・2025年時点)
つまり、採用サイトが無い、または情報が薄いと、応募を検討する段階で候補者を取りこぼす可能性があります。求人媒体だけでは伝えきれない仕事内容や社風を、自社の言葉で発信できる点が採用サイトの価値です。特に人材獲得競争が激しい中小企業ほど、待遇だけでなく「働く人・仕事の実像」を見せることが差別化につながります。
採用サイトは作って終わりではありません。情報が古いままだと、かえって「更新されていない=採用に消極的」という印象を与えます。公開後の運用まで含めて計画することが前提です。
採用サイトに載せるべきコンテンツ
採用サイトに最低限載せるべきなのは、求職者が入社を判断するために必要な情報です。調査では、既存の採用サイトに対して55.0%が「実際の仕事内容の詳細」が不足していると回答し、「配属先や上司の雰囲気」「残業時間」(各44.0%)が続いています(2025年時点)。つまり、きれいな写真やスローガンより、具体的な仕事と条件の情報が求められています。
掲載を検討したい主なコンテンツは次のとおりです。
- 仕事内容の詳細(1日の流れ・担当業務・使うツール)
- 社員インタビュー・座談会(入社理由・やりがい・キャリア)
- 募集要項(職種・給与・勤務地・勤務時間・休日)
- 働く環境・制度(残業時間の実態・福利厚生・研修)
- 会社のビジョン・事業内容
- 選考フロー・応募方法(問い合わせ・エントリー導線)
写真や動画は、社員の雰囲気を伝える有効な手段です。文章だけで伝わりにくい職場の空気感は、採用動画や社員写真で補うと効果が高まります。ショート動画をSNSと組み合わせる手法についてはTikTok採用の設計に関する記事も参考になります。
採用サイトの作り方5ステップ
ここからは、実際の制作手順を5ステップで具体的に解説します。
ステップ1:目的とターゲットを決める
最初に、採用サイトで「誰を・何名・いつまでに」採用したいのかを言語化します。新卒と中途、営業職と技術職では、響く情報も見せ方も異なるためです。ターゲットとなる人物像(求める経験・価値観・志向)を一人分の具体像まで落とし込むと、以降のコンテンツ企画がぶれません。
ステップ2:掲載コンテンツを企画する
次に、ターゲットが知りたい情報を洗い出し、載せる項目を決めます。前章のコンテンツ一覧を土台に、自社ならではの強み(仕事の裁量・成長環境・チームの雰囲気など)を一次情報として盛り込みます。この段階で、社員インタビューの対象者や、撮影が必要なシーンもリストアップしておきます。
ステップ3:構成とデザインを設計する
企画した情報を、トップページから応募まで迷わず進める導線に組み立てます。求職者が「仕事を知る → 人を知る → 条件を確認する → 応募する」と自然に読み進める順序を意識します。スマートフォンでの閲覧が中心になるため、モバイルで読みやすいレイアウトを前提に設計します。
ステップ4:制作・撮影・原稿作成を行う
設計に沿って、原稿執筆・写真や動画の撮影・サイト構築を進めます。社員インタビューや職場の撮影は、採用サイトの説得力を大きく左右する工程です。ここで手を抜くと、テンプレート的で他社と差がつかないサイトになりがちです。撮影や原稿作成に社内リソースが割けない場合は、この工程を中心に外注を検討します。
ステップ5:公開して運用・改善する
公開後は、アクセス数や応募数を見ながら情報を更新し続けます。募集職種の追加、社員インタビューの拡充、実績の更新などを定期的に行うことで、サイトの鮮度と検索評価を保てます。アクセス解析の基本的な見方はGA4アクセス解析の記事で解説しています。
採用サイトの目的整理からコンテンツ設計まで、自社に合った進め方を一緒に整理します。
採用サイト制作の費用相場
採用サイトの制作費用は、テンプレート型で10万〜50万円、オリジナル制作で50万〜300万円が目安です(2026年時点)。費用は主に、デザインの作り込み度合いと、撮影・インタビューなどコンテンツ制作の範囲で変わります。
価格帯 | 制作方法 | 主な内容 | 制作期間の目安 |
|---|---|---|---|
10万〜50万円 | テンプレート型 | 既存デザインに写真・原稿を流し込み。一部カスタマイズ可 | 1〜2カ月 |
50万〜150万円 | セミオリジナル | オリジナルデザイン+社員インタビューや撮影を一部含む | 2〜3カ月 |
150万〜300万円以上 | フルオリジナル | 構成設計・取材・撮影・動画まで一貫制作 | 2〜3カ月以上 |
中小企業では50万〜300万円の価格帯で検討されるケースが多い一方、まず必要最小限のテンプレート型で公開し、運用しながら拡充する進め方も現実的です。費用の内訳や見積もりの見方は、コーポレートサイト制作費用の記事の考え方も共通して参考になります。制作の依頼先選びに迷う場合はWeb制作会社の選び方もあわせてご確認ください。
採用サイトでよくある失敗と注意点
採用サイトで最も多い失敗は、見た目を整えることに注力し、求職者が本当に知りたい情報を載せないことです。前述のとおり、求職者は仕事内容の詳細や働く条件を求めています。抽象的なスローガンや美しい写真だけでは、応募の判断材料になりません。
応募につながるサイト
- 仕事内容と1日の流れが具体的
- 社員の声や職場の雰囲気がリアルに伝わる
- 残業や休日など条件が正直に書かれている
- スマホで読みやすく応募動線が明確
応募が伸びないサイト
- スローガンと写真が中心で情報が薄い
- 社員が登場せず実態が見えない
- 待遇や働き方の記載が曖昧
- 公開後に更新されず情報が古い
「作ること」を目的にしないよう注意が必要です。公開後に運用・更新する体制まで決めてから着手すると、情報が古びて逆効果になる事態を防げます。
まとめ:目的設計から始めて運用まで見据える
採用サイトの作り方は、目的とターゲットの設計から始め、コンテンツ企画・制作・公開後の運用までを一つの流れとして進めることが重要です。求職者の約9割が応募前に確認する今、仕事内容や社員の声、働く条件を具体的に伝えられるかどうかが、応募の質を左右します。
要点を再掲します。第一に、デザインより先に「載せる情報」を設計すること。第二に、仕事内容・社員の声・条件を具体的に載せること。第三に、公開後の運用まで含めて計画することです。自社での企画設計や撮影・制作にリソースが割けない場合は、外注も選択肢になります。Cataly Designでは、採用サイトを含むWebサイト制作を、目的整理からコンテンツ設計・撮影まで一貫して支援しています。進め方に迷う際はお気軽にご相談ください。



